※本記事は2017年1月にサンディスクブログに掲載した記事を再編集したものです。
今回は、ビデオグラファー 伊納達也氏による、エクストリーム900ポータブルSSDの試用レポートをお届けします。
第一線で活躍するビデオグラファー伊納氏はどのように撮影データを保存、編集しているのか? ワークフローにエクストリーム900ポータブルSSDを入れることでどのように変わったのかをわかりやすく解説していただきました。
ビデオグラファー 伊納達也
主に国内外の食文化をメインテーマとして、日本の地域や海外でのロケ撮影を行い、短編ドキュメンタリーを制作しています。 写真家(Photographer)のように、作品の企画と実際の撮影を両方行う映像制作の形、Videographerスタイルでの制作を行っています。
【主な作品】
キユーピーマヨネーズ – スペイン向け映像シリーズ「MayoDays」
長野県小布施町プロモーション「楽しいから住んでる小布施」(myJapanAward2013最優秀賞)
ドキュメンタリー番組「山のしあわせごはん」(徳島4K映画祭 ケーブルテレビ賞)
小型軽量なカメラ、マイク、照明を運んで、少人数で撮影を行っています。日本国内の地域や、海外(ヨーロッパ・東南アジアなど)での撮影が多くなっています。
今回はロケ先で使用する外部ストレージ、編集作業用の外部ストレージとして、従来使用していたポータブルHDDに換えて、サンディスク エクストリーム 900ポータブルSSDを使用しました。
1. 容量が大きいこと。
ただデータを保存・運搬するという目的だけでなく、そこにデータを置いたまま編集をする作業用フォルダとして使用するため、容量が大きいこと。SSDもこれまで何度か検討したが、500GB等だとひとつのプロジクトで使う素材が収まりきらず、複数のドライブが揃った状態でしかそのプロジェクトが編集できなくなってしまう。最低でも1TB、できれば2TB以上ほしい。
2. 軽量であること。
ビデオグラファースタイルでは、撮影機材・照明・音声収録機材等の多種多様な機材を少人数で運ぶ必要があり、特に航空機移動のある海外撮影ではフライトの重量制限もあるため、いかに全体の重量を減らすのかがとても重要になってくる。速度と容量でRAIDを組んだハードディスクなどを持っていくと、地味に重量の負担が大きい。特にストレージはデータが入っており、一番安全優先度が高いため機内持ち込みが必須だが、バッテリー・カメラも同じように機内持ち込み必須で、シビアに100g単位で軽量化を計算する必要がある。
3. 高速であること。
データを保存したストレージの中でそのまま編集作業を進めたいので、ドライブが高速であればあるほど編集作業が早く進む。コンピュータ自体の処理速度よりもディスクの読み込み速度が足りておらずストレスを感じるシーンが多々あったため、高速ストレージはデータ保存時のコピー速度以上に、作業するときのストレスを減らしてくれる。
特によかったと感じたことは、外付けストレージを使用しての編集作業でした。
○編集中の画面(HDD使用時)
ドキュメンタリーの撮影の場合、撮影カット数がかなり多くなりますが(多いときは1000カット以上)、これまでHDDでの作業を行っていたとき、素材フォルダをスクロールして素材を探すときに、素材の読み込みが追いつかず、サムネイルが表示されるのを待つという時間が必要でした。
1回のスクロールで待ち時間が2~5秒程度でもその作業を何度も繰り返して行うので、全体で見るとかなりのタイムロスで、またストレスでした。
○編集中の画面(エクストリーム900 ポータブルSSD 使用時)
エクストリーム 900ポータブルSSDに換えてから、この素材の読み込み時間が圧倒的に早くなり、ほぼスクロールと同時にサムネイルが表示され、「ほしいと思ったカットを即座に見つけられる」ようになり、ストレスがなくなりました。
より高画質を目指してカメラの収録形式が大きくなっていっており、そのリアルタイム編集作業には、高速ストレージが欠かせなくなってきています。
私も2017年1月よりメインカメラを4.6KでのRAW撮影のできるカメラに変更。今後、撮影をRAWで行った場合は、おそらくSSDでしかポータブルな編集作業は実現できないと思われます。