2017年11月の1ヶ月間、ボツワナと南アフリカのサバンナや砂漠で様々な野生動物たちの姿を追った。カメラは一眼レフ3台とコンパクトカメラ1台の計4台を使用。一眼レフにはそれぞれ広角ズーム、望遠ズーム、そして単焦点超望遠レンズを付けっ放しにした。こうすることで幅広い画角をカバーしつつ、現場でのレンズ交換の必要性を排除できる。砂塵舞うフィールドでのレンズ交換は、センサーダストの問題を著しく悪化させ、後で気の遠くなるようなゴミ消し作業をやる羽目になる”危険行為”なのだ。
撮影機材はすぐ手にとれる場所になければならないので、自分で車を運転しながら被写体を探す場合は助手席に直接置くようにしている。カメラバッグに収納した状態ではどうしても取り出すのに時間がかかり、決定的なチャンスを逃してしまう可能性が増すからだ。ドライバーがついてくれる場所では膝の上やビーンバッグの上に置いている。いずれの場合でも機材は常に衝撃や熱、そしてホコリに晒されることになるので負担は大きいが、撮影時の即応性を優先するのが私のやり方だ。カメラもレンズもあくまで道具なのであって、必要な時に使えなければ苦労してアフリカまで持っていく意味もない。
今回1ヶ月のアフリカ滞在で撮影したデータの総量は500GBを超えた。そのデータの保存用に使ったデバイスはサンディスク エクストリーム500 ポータブルSSD 1TBだ。小型・軽量で大容量、かつ可動部品のないSSDなので耐久性や耐衝撃性にも優れている。ショックに弱いHDDに何度も泣かされてきた身としては、大切なデータを安心して、気軽に持ち運べるのは実にありがたい。さらにデータの転送速度が猛烈に速い上に消費電力も少ないので、パソコンのバッテリーを無駄に消耗せずに済む。毎日パソコンを充電できるとは限らない場所では、一回の作業で使う電力をできるだけ節約したいだけに、この性能は非常に重要だ。
僻地での長期に渡るフィールドワークでは、カメラやメモリーカード、ストレージのいずれか一つに問題が生じるだけで、撮影を断念せざるを得ない状況に追い込まれてしまう。もちろんスペアを持って行くことである程度の冗長性は確保できるわけだが、最初から信頼性や耐久性も含めて最も高性能な機材を携行するに越したことはない。
山形豪プロフィール
1974年群馬県生まれ。少年時代を過ごした西アフリカのブルキナファソとトーゴでサバンナの自然に魅了され、18歳で東アフリカのタンザニアに渡り野生動物や風景を撮り始める。以来、アフリカ各地のサバンナで撮影を続けると共に、サファリツアーのガイドとしても活動している。
主な写真展に『Go Wild ~南部アフリカ 動物たちの最驚楽園~』(フジフイルムスクエア)、著書に『南アフリカ自然紀行 野生動物とサファリの魅力』(ダイヤモンド社)、『ライオンはとてつもなく不味い』(集英社)、写真集『From The Land of Good Hope』(風景写真出版)がある。
公式ウェブサイト: http://www.goyamagata.com/
Facebook: Go Yamagata
Instagram: goyamagataphotography