■『すべてにおいて革新的。安心して扱えるのが何よりうれしい』
圧倒的な処理速度
これまで、作品データのバックアップには、特に疑問を感じることもなく外付けのHDDを使用してきた。しかし、大きさや耐久性の問題もあって、その扱いには常に神経をすり減らしていた。ある時などは、ふとした弾みで突然HDDが破損してしまい、やむを得ずデータ復旧の専門会社に依頼したこともあった。その時は幸いデータを取り出せてことなきを得たが、復旧出来たとわかるまでは生きた心地がせず、高額な費用には痛い思いをした。
今回、ポータブルSSDを初めて使用してみたのであるが、なぜ今までこんなに便利な道具を使わなかったのかと後悔させられてしまった。デジタル機器全般に新しい物には慎重になってしまう性格なのだが、すべてにおいてHDDと比較して革新的であり、もはや感動しかない。小型軽量でかさばらないところがありがたいし、耐衝撃、耐振動、防滴防塵で、取り扱いに気を使いすぎることなく安心して持ち運べるのがうれしい。
また、処理の速さは圧倒的で、バックアップ時間の節約にもなる。こうしたメリットの積み重なりは撮影後の疲労感の軽減にも繋がり、ひいては翌日の撮影エネルギーの維持にもなるというものだ。さらにラバー素材を活かしたタフでシンプルなデザインも好ましく、道具としての信頼を感じさせてくれる。
中藤毅彦(なかふじ・たけひこ)
1970年東京生まれ。ギャラリー・ニエプス代表。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。都市スナップを中心に作品を発表し続けている。個展、グループ展多数。第29回東川賞特別作家賞受賞。第24回林忠彦賞受賞。
「フォトコン 2021年7月号」より転載